カンブリア宮殿|日比谷花壇が感動を呼ぶ 失敗から生まれた新スイーツとは

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>>>【敬老の日ギフト】そのまま飾れるブーケ「花結び」
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結婚式の感動的なフィナーレ「花束贈呈」は、日本の老舗花店が考えました。フラワービジネスのトップ企業『日比谷花壇』です。

東京のオアシス日比谷公園の一角にある『日比谷花壇』は、全国180店舗を展開しています。売り上げは209憶円で2位以下を大きく離しています。

9月8日(木)の「カンブリア宮殿」では、『日比谷花壇』の3代目社長の“宮島浩彰(みやじまひろあき)”さん48歳が登場しました!

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日比谷花壇の歴史

『日比谷花壇』は、1872年(明治5年)に東京の堀切で庭園業として創業しました。今から144年前のことです。

結婚式の感動のセレモニー「花束贈呈」

1944年に宮島さんの祖父である“宮島鐘吉(みやじましょうきち)”さんが都内のホテルに進出しました。宴会場などの花の飾りつけを手掛けました。

戦後には、GHQからアメリカ式の花嫁のブーケを学びました。日本風にアレンジして、「花束贈呈」という感動のセレモニーを作り上げました。

歴史の舞台に日比谷花壇蟻

“安井誠一郎(やすいせいいちろう)”さんは、1950年に初めての東京都知事になりました。

その安井さんから「東京復興のため海外のようなフラワーショップを作ってほしい」と要請されて日比谷公園に出店しました。

『株式会社 日比谷花壇』に名前を変更しました。歴史の舞台には、つねに日比谷花壇がありました。

“吉田茂元総理”の告別式や1985年の「つくば科学万博」、1990年の「大阪花博」など大規模なイベント会場のパビリオンの装飾を手掛けてきました。

水木しげるの妖怪葬

2016年1月に行った「故水木しげるさん お別れの会」では、水木さんらしさに溢れた“妖怪葬”を日比谷花壇がプロデュースしました。

菊の花で作った“目玉おやじ”のコサージュや水木さんに手紙が送れる“妖怪ポスト”などユニークな仕掛けを考えました。

フレネットHIBIYA

フレネットHIBIYAの“松本真由美”さんは、日比谷花壇の仕入れ担当をしています。

千葉県の南房総にある「折原園芸」は、ヒマワリを育てています。日比谷花壇では、小ぶりなヒマワリをブーケ用として人気があります。
折原園芸の社長は、

花屋に買いにくる一般消費者の動向は、我々に分からないので情報が聞ける。本当にありがたい!

フレネットHIBIYAの松本さんは、

花の需要が一緒に伸びれば地域も豊かになるし、花を使う人も豊かになる。その橋渡しを私たちはしていきたい!

フレネットHIBIYA浦安センターには、1日10万本近くの花が届きます。日比谷花壇では、国産75%と輸入25%の仕入れをしています。個性的な花もたくさんあります。

オランダ産のアジサイは、大ぶりで結婚式などのイベントやお正月に使われます。アジサイは日本が原産地で、幕末にオランダ人医師“シーボルト”がヨーロッパに広めたとされています。

失敗から生まれた社内改革とは

2000年の「デフレ不況」の時代に突入した年に、宮島さんは32歳という若さで3代目社長になりました。

ある日事件が起こります。得意先のイタリア店に渡す花のデザインを間違える失態を起こしてしまいます。製作者とショップ、配送担当の連携不足が原因です。

“もっと風通しを良くしないと会社はダメになる”そんな思いから老舗改革が始まりました。

社内改革は「怒らない」壁をなくして情報共有すること!

boat+とは

「boat+」は、“社員はみんなボートの上”という思いから名付けられた社内バイブルです。企業理念と指針が書かれています。

“すべてはお客様のために”や“ホスピタリティの精神”など書かれています。一体感を共有するために宮島さんが取り入れたものです。社員は常に身に着けています。

日比谷花壇の新規事業とは

フラワービジネスは、1世帯あたりの購入金額は減り続けています。給料が上がらない時代に花を買う人は増えて行くのだろうか?

今までになかった価値観をお客様に感じてもらえるかどうか、定番路線はあると思うがそではなくて提案型の需要喚起をやっていかないといけない!

部門の垣根を超えた新スイーツ

法人事業部・ショップ・EC・品質管理で開発チームを作りました。ここから新しい商品が生まれました。渋谷ヒカリエで売られている「花のスイーツ」は、食べられるバラが入っています。

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>>>お花のスイーツ「花咲くローズロール」
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島根県にある「奥出雲薔薇園」、有機無農薬栽培された“さ姫”という品種を使っています。花びらを水につけて煮詰めて蒸留すうと香りの強いエキスが抽出されます。これを生地やクリームに練り込んで作られています。

会社の変化について社員の思うことは

以前は自分の部署の部分だけを見ていて、特に他の部門と一緒という意識は強く持っていなかった。

今は交流する意識を持たなくても、自然といろいろ情報交換している。大変だったけど楽しかった。

緑に囲まれた商談スペース

日比谷花壇の本社では、緑に囲まれた商談スペースがあります。オフィス緑化事業のモデルルームもかねたスペースには、緑がたくさん置かれています。

緑には、“ストレスを軽減する効果、空気の浄化効果”というものもあります。わりとリラックスした状態で打ち合わせができます。

屋内用の樹木の養成所

鹿児島には、屋内用の樹木の養成所があります。樹木をオフィス内の環境に適するように育てて出荷します。

天井には遮光カーテンがひかれている。屋外に10分の1くらいの照度で養生して、それから室内に入れます。

サービス付き高齢者住宅

日比谷花壇グループのサービス付き高齢者住宅では、月に1回“生け花教室”を開催しています。

花を生けることが脳や体の機能維持や回復に効果をもたらすと言います。日比谷花壇が提供している「フラワー・アクティビティ・プログラム」です。

“花や緑は人を元気にする力を秘めている!”

ネアンデルタール人の頃から信じられてきた花の力

花とか緑が持っている生命力、特に花は子孫を残そうとして咲く、最後の力を振り絞って子孫を残そうと最後に輝きたいという、そんな切なさを感じるところも含めて魅力なんだと思う。

それから緑が持っている生命力の底力、こういうものを我々は感じて心地よく思うのではないか

日比谷花壇のオリジナル葬

7月に亡くなった“永六輔”さんのお別れ会は、日比谷花壇がプロデュースしました。「和の雰囲気でちょっと粋な感じ」という要望に、京都から取り寄せた竹と白と緑のアジサイやダリアで飾られました。

そんなオリジナルな葬儀を一般の人にも出来るようになりました。日比谷花壇では、“家族をどう送りたいか、自分はどう送られたいか”を考える勉強会を実施しています。

祭壇を飾る花も自由に決めて、普通は菊やユリですがカラフルなバラなど自分の好きな花を勧めています。葬儀の常識にとらわれない日比谷花壇の斬新な提案です。

村上龍 編集後記

伝統は、変革によってのみ、正統的に継承される。だが何を残し、どこを変えていくかの判断は簡単ではない。

だから老舗は、苛烈なサバイバルを果たしてきた企業ばかりだ。日比谷花壇は、日本のフラワービジネスの歴史そのものだが、その進取の気性は群を抜いている。

Eコマースへの取り組みを見れば一目瞭然で、わたしは実は、日比谷花壇ネットショッピングのヘビーユーザーだが、サイトのシステムも、デザインも他に類を見ないほど素晴らしい。

おそらく日比谷花壇においては、「ハイカラ」という言葉が死語になっていないのだ。

群を抜く進取の気性・・・村上龍・・・

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