建築家の隈研吾さんてどんな人?新国立競技場の工事がやっと始まったよ

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Tokyo Tower Special Lightup <Invitation for 2020 Olympic Games> (Shibakouen, Tokyo, Japan)
Tokyo Tower Special Lightup (Shibakouen, Tokyo, Japan) / t-mizo

新国立競技場が隈研吾さんのデザインに決まった。木材と鉄骨を組み合わせた屋根で「伝統的な『和』を創出する」としているのが特徴です。

このデザインを見たときに日本らしくてステキと思いました。デザインを担当した「隈研吾」さんとは、どんな人なんでしょう?

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隈研吾さんは建築家になった理由とは?

隈研吾さんが建築家を目指したきっかけは、小学校4年生のときにお父さんと一緒に『国立代々木競技場』を見学に行った時の事でした。

東京オリンピックのために作られた国立代々木競技場は、ねじりながら上にあがっていくようなデザインです。それを見たときに建築家が目指したい!と思いました。

成功と挫折

1986年に建築家として事務所を設立しました。バブルの絶頂期に、たくさんの仕事を経験しました。

この頃のことを“30ちょっとなのに、仕事を頼まれるような不思議な時代でした”と話しています。

1991年バブルははじけた直後に、マツダ自動車の新しい開発をする部署として建てられた『M2』ビルが“バブルの象徴”と世間の批判を受けました。

それ以降の90年代は、東京での仕事がほとんどありませんでした。バブルって本当に怖い!

東京で仕事を失い地方行脚

東京での仕事がなく、これを機会に日本中を旅しようと決めました。旅をしていると本当に小さな仕事でも職人さんと直接話ができるから楽しくって仕方がない!

東京の場合は、建設会社があって所長さんとしか話が出来ない!日本には、そんなシステムが出来ています。

職人さんとの触れ合うことで“建築って、こんなに楽しいことなんだ”と思い、隈研吾さんにとって大切な時間になりました。

この話を聞いて“本当に物つくりが好きなんだな~”と思いました。憧れてしまいます!

新国立競技場のデザインに込めた思い

オリンピックの代表的なモニュメントというと立派さを追求する傾向にあります。ところが隈研吾さんは、どこまで低くできるか?地味にできるか?を考えてデザインされました。

その理由として、国立競技場の位置する場所にふれています。“主役は杜であり次の主役はアスリート、建築はさほど目立つような場所ではない”

建築家として「その場所が何を求めているか?」を常に考えています。そして、木を徹底的に使い杜との相性を考えました。

日本のアピールにつながる木工技術

Photo 18 - 2010-08-15
Photo 18 – 2010-08-15 / gabuken

「神宮の杜に溶け込む競技場」は、木材を使うことで日本の持つ伝統的な木工技術もアピール出来ます。

特別な木を使うのではなく、どこでも手に入るような杉の木をメインに使います。

国立競技場の屋根の部分は、杉の木とカラマツを混ぜて中には鉄が入っています。木だけでは支え切れないからサンドしてあります。

その木工技術は、大企業だけでなく中小企業も参加できるものにしました。また、木を使うことで鉄の部分を節約することにも繋がりました。

東京で開かれるオリンピックだからこそ、みんなで作っていく姿勢が大切だと思います。

聖火台の問題について

3月3日に「聖火台の場所がない」と問題になりました。オリンピックに聖火台がないなんて・・そこだけを聞くと設計ミスと疑われがちです。

ところが、オリンピックを作るための条件として聖火台のことには触れていませんでした。触れていない部分に対して、口を出すのは建築家の領分ではない!

隈研吾さんとしては、聖火台の事はゆくゆくは決まっていく演出家の人たちと一緒に決めていけたらな~と思っていました。

世界的に注目されるオリンピックだけに慎重さは必要ですね!

これからの隈研吾さんの役目とは?

戦後の日本の建築物は、木からコンクリートへと変わっていきました。それによって、たくさんのモノも失われてきました。

それを取り戻すのが隈研吾さん自身の使命だと思っています。木にこだわったデザインが多いのも頷けます。

風を呼び込むデザイン

新国立競技場は、コストを下げるために空調を使わないデザインになっています。夏の暑い時期に開催されるオリンピック、自然の風をどう使うのか?

季節風をうまく取り入れるように設計して、観客席を風がなめるように計算されています。

隈研吾さんによると、簡単に言うと「縁側的な建築」なのでそうです。木があると落ち着くのは不思議な感覚です!

世界的に高い評価がある建築家

世界中を飛び回る建築家の隈研吾さん、初めて作った海外作品が中国にあります。万里の長城の隣に作ったホテル「竹の家」は、ずっと竹を使った建築物を作りたかった夢が叶いました。

『スターバックス大宰府天満宮表参道店』は、木を編み込んだ骨組みだけで建物を支えています。職人の技術が生かされた作品でもあります。

日本の職人さんの技術を生かすのは今のタイミングかも知れない!この新国立競技場の建設は、職人さんの未来を繋ぐものになるのか?楽しみでもあります。

隈研吾さんにとって建築とは、どんな形で出来ているというよりも作られている素材が“どんな感じを与えてくれるかが大切”と言います。

リズムって大切だと思うんだ、建築で言うとメロディが形で華やかな世界がある。だけど僕は、リズムの方が重要だと思っている。リズムは構造と素材、力強さが人間を奥深いところで感動させる思うんだ。最後にメロディを付けるときに、構造と素材がしっかりしていれば気持ちのいい音楽はできる。

物を造る世界の偉大さを感じた時間でした。これからの隈研吾さんの活躍を楽しみにしています。

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