2013-09-14 新生公園&松山文創 附近晃晃 / KeroroTW
埼玉県の三芳町にある「里山テーマパーク」は、自然を満喫できる大人気の公園です。カブトムシやクワガタ、夜には蛍を見ることが出来ます。
以前は、ゴミを不法投棄する人が絶えない、荒れ放題の雑木林でした。人の手を加えることで、こんなにも人が集まる人気スポットになりました。
7月28日(木)の「カンブリア宮殿」では、産業廃棄物を処理する石坂産業の“石坂典子”さんが登場しました!
年商47憶円の石坂産業
石坂産業の本社は、里山公園の隣にあります。年商は47憶円あります。
本社のとなりには、地元の環境を学ぶ場所として「交流プラザ」があります。そこで提供されている食事は、自社で作った有機野菜を使っています。
大人気の“かぼちゃのスープ”の出汁は、、野菜のくずを使っています。廃棄物そのものを有効に活用して無駄にしない、リサイクルしています。
ゴミの95%を減量・リサイクル化する
産業廃棄物処理とは、建物の解体などで発生した廃棄物を処理業者は引き取ることでお金をもらいます。
産廃処理業者は、破砕や焼却などをして量を減らすのが主な仕事です。その後、リサイクルできるものと最終処理場に分かれます。
石坂産業では、ゴミの95%を減量・リサイクル化しています。数々の賞もとっている業界では有名な会社なんです!
木材のリサイクル
木の廃材は、専用の機械に流して細かいチップ上に砕いていく。磁気ベルトにかけて、クギなどを分別します。クギは鉄としてリサイクルします。
ふるいにかけて特殊な機械で加工をすると「エコモアチップ」になります。これは、牛の布団になります。年間3000トンを出荷しています。
プラスチックと紙のリサイクル
プラスチックと紙のゴミだけを分別して細かく砕きます。熱を加えて圧縮したら「固形燃料」になります。製紙工場などで使われます。
屋根瓦のリサイクル
屋根瓦は、細かく砕いて固めることで吸水性の高い「床材」になります。
高い技術が差別化になっている
石坂産業では、住宅などの解体ででる土砂ゴミが集まってきます。他の業者では、やっかいなゴミだから不法投棄されることが多いゴミです。
土砂ゴミの中から手で木材や金属を取り除きます。そのゴミを機械で細かく砕いたら鉄を吸い上げます。風でゴミを選別する装置の中に入ったら軽いゴミを飛ばされます。
そうして出来上がったのは、異物のほとんど入っていない土です。リサイクルとして、宅地の盛り土などに再利用されます!
私たちは周りの人たちがやりたがらないような廃棄物に特化して、その減量化・リサイクル化率を上げていくことが他社との差別化できる技術のブランド化につながる
石坂産業の歴史
石坂典子さんは、1972年に石坂産業創業者の長女として生まれました。20歳のときに石坂産業に入社しました。
1997年にダイオキシン対策炉を導入しました。
ところが、1999年に“所沢ダイオキシン問題”が発生します。産廃業者の焼却炉が原因で、所沢の葉物野菜から高濃度ダイオキシンが検出されたと報道されました。
実際に検査をすると葉物野菜からは、ダイオキシンは発見されませんでした!そのせいで農家の被害額は3憶円にものぼりました!
ダイオキシン対策をしていたにもかかわらず規模の大きかった石坂産業には風当たりが強かったんです。
なぜ廃棄物処理をはじめたのか?
石坂産業の創業者である父親は、なぜ会社を作ったのか?トラックの運転手として、東京のお台場辺りに家屋の解体した廃材を埋め立てるために行ったときのことです。
海に投棄される廃棄物を見たときに、まだまだ使えてリサイクルできるものが、いっぱい入っていた。これからリサイクルする時代になるだろうから、リサイクル工場を建てたいと思って、この会社を起こした。
この仕事は、社会に必要な仕事なんだ!
30歳で社長になる
石坂典子さんは、父親の意思を受け継いで30歳で社長になりました。目指したのは“地域から必要とされる産廃屋”です。
廃棄物置き場をキレイにして、社員の勤務態度まで徹底して見直しました。改革により半年で4割の社員が辞めていきました。
石坂社長の熱い思いは、やがて社員の意識を変えていきました!
さらに石坂さんは、地域に迷惑をかけない処理システムを40憶円をかけて作ります。粉じんが外に漏れないよいうに工場を密閉して、ゴミを分別するプラントです。
リゾート地が悲鳴をあげる!
インドネシアのバリ島は、世界中から観光客が訪れるアジア屈指ののリゾート地です。バリ島の美しい海とは正反対に街中はゴミで溢れています。
石坂さんは、海外ではどんな風にゴミが処理されているのか?それを知りたくて世界中を飛び回っています。
バリ島の廃棄物処理は、生ごみの中から人が手でプラスチックを仕分けします。解体中の建物のガラスの破片などは、埋め立ててしまうんです。
“ゴミをリサイクルにする”という考えが根付いていないため、埋め立てに回すことが多いんです。石坂さんによると、ちゃんと処理すれば9割はリサイクルできるそうです。
廃棄物処理の重要性を広めるべき
なくてはならなく誰かがやらなければならない仕事だからこそ、これから先どう廃棄物をだすのか、
私たちがどういう意識で廃棄物の量を減らし、廃棄物を出すときに少し配慮することでコストが下がることを分かってもらえれば、我々の“ビジネスの道しるべ”は全く違う方向に変わっていくと思う
毎年1万人以上が見学に来る石坂産業の工場
石坂産業の工場には、毎年1万人以上が見学に来ます。海外から政府関係者が来るなど、その技術が世界から注目されています。
石坂さんは、この見学ができる工場を2憶円をかけて作りました。その伝えたい思いとは?
廃棄物処理の現状を見てもらうことで、自分たちにできることは何だろうと考えるきっかけにつながると思う。
そういうきっかけ作りができる会社になりたい!
村上龍 編集後記
消滅するかもしれないという危機的状況から、見事井会社を再生、かつ進化させたのは、典子さんだが、支えたのは、父親で、創業者の好男氏だった。
すべてを語ることなく、手取り足取り教えるわけでもなく、事業の継続という最優先事項を、単なる会話ではなく、生き方で示した。
「ダンプのにおいがいちばん落ち着く」という典子さんは、幼いころからの体験も活かし、産廃処理の概念さえもポジティブに変えてしまった。
だが、「キレイごとでは、地球はキレイにならない」という言葉が示す通り、徹底したリアリストである。
環境を巡る、父と娘の物語 ・・・村上龍・・・
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