女性は最初の子供を出産するために、約60%の人が離職すると言われています。第1子を出産する平均年齢は30歳です。
経験をつんだ多くの女性が仕事を辞めてしまうようです。こうした女性たちが、ふたたび働くチャンスをつかめる、そんな新しい仕組みが始まっているようです。
16年のブランク、もう一度仕事がしたい!
東京の世田谷に住む「江原なおみ」さんは、現在45歳になります。中学1年生と小学4年生の男の子がいます。
朝5時に起きて、子どもたちのお弁当を作るためにキッチンに立ちます。子どもたちを送り出したら、ラジオで英語の勉強をすることが日課になっています。
3年前に受けた英語の試験“TOEIC(トーイック)”では、990点の満点を獲得しています。江原さんは、大学卒業後に大手電機メーカーで貝芸営業を担当していました。
結婚してから夫の海外赴任をきっかけに退職しました。それから16年、子育てが落ち着いてもう一度“英語”を使った仕事がしたいと考えています。
今、子どもは母親にべったりでも、数年後には離れていくとか、いろいろ考えるようになって、
子どもが手を離れたら私に何が残るのかと思ったときに特別ない!生きがいと言うと変だけど、“自分がやってきたこと”を持ちたかった
就職サイトにも登録をして、英語力をアピールした就職活動を行っています。
実際いくつか面接まで進んだけど、なかなかうまくことが運ばず、現実は厳しかった。
女性のための転職サービス Waris(ワリス)
東京の港区にある『Waris(ワリス)』は、2013年に創業した人材ベンチャー企業です。女性を専門に就職や転職支援をしています。
『Waris(ワリス)』に登録している人は、2800人います。約30%が結婚や子育てなどでブランクのある人材です。
正社員の採用となると、なぜキャリアに空白があるだけで全部ゼロのような評価になってしまうのか、すごく疑問がある・・・ワリス 小崎さん・・・
『Waris(ワリス)』に登が新しい取り組みをスタートしました。
過去の経歴や資格などを活かして、『Waris(ワリス)』と提携する会社で働いて給料をもらう「キャリアママインターン」です。期間は1ヶ月間になります。
仕事の感覚を取り戻して、その企業や他の会社への再就職へとつなげて行きます。インターンシップがスタートする前に研修を受けます。
仕事と家庭の両立に自信を持つ
大手広告代理店で働いていた「三宅雪子」さんは、6年前に退職しました。現在は44歳になります。4歳と小学6年生の女の子がいます。
小学6年生の子が生まれたときは、保育園に預けて正社員として働き続けていました。
(仕事も家庭)どっちもフルパワーでやっているのに、それぞれ60%くらいの成果みたいな気落ちがしていて、
体調を崩したというのもあって・・・これ以上このままでいない方がいいと思い、一旦仕事を離れた
三宅さんは、今回のインターンシップを通して仕事と家庭を両立させる自信を持てればと考えていました!研修で教えてもらったことは、“すべてを自分で抱え込まないこと”家族にも助けてもらいます。
ママインターンがスタート
東京の日本橋にある『cybozu(サイボウズ)』は、ソフトウェア開発の会社です。社員367人で平均年齢34.2歳というIT企業です。「キャリアママインターン」を受け入れたのは青野社長です。
(ママインターンは)採用の新しい手段としてみています。新卒はもう子供が減っているので、なかなか加熱しているんですけれども・・・
ある意味、一回働いた経験もありますからイチからトレーニングする必要もないし、即戦力として活躍してもらえると思って見ています。
三宅さんは、大手の広告代理店で勤めた経験をかわれて広報部に配属になりました。サイボウズの後方の柱が、「サイボウズ式」というインターネットの情報サイトです!
“働く”をテーマの記事をつねに発信しています。月に15万人も閲覧する会社の顔になる部分です。三宅さんは、「ママインターン」に関しての新企画を任されることにないました。
まさに、これからの経験していくことがテーマになります。三宅さんは、インターンシップに参加しているママたちにも協力してもらい意見を交換します。
あの江原さんは、海外事業を支援するチームに配属されました。新卒とはちがう自分たちの強みとは?
子供を育てている時に、予測不可能なひじの連続じゃないですか、そういう時に対処できる時間の使い方が少しできるようになっている・・・江原さん・・・
ブランク中の子育て経験が仕事のスキルにつながっている!そんな答えを引き出すことが出来ました。
ママの再スタートで全てが変わる
サイボウズ式の編集部員による「編集会議」が行われます。三宅さんの書いた記事のテーマは“ブランクママの復職”です。自分の体験談とインタビューした情報をまとめました。
三宅さんの書いた記事は、思いのたけをぶつけて5000字にもなってしまいました。“スマホで見たときに重量感を感じて長いとか、どこまで読み進めないといけないのかと思ってしまう。”と指摘されました。
“今の叙情的ななストーリー展開は残しつつ要らないところをカットしていく”ことに決まりました。
午後4時、やることはたくさんあるけれど退社します。子どものお迎えがあるため時短勤務をしています。
三宅さんがインターンシップをはじめてから生活も変わりました。朝の洗濯を干すのは、夫の仕事になりました。4歳の下の子は延長保育をしています。
この1ヶ月いろんな人と関わって、自分のことも向き直して家族のことも見て、それでこれなんだというのを1ヶ月の間でちゃんと作りたい!という思いでやっています。
ママインターンの 1ヶ月後の成果は
「ママインターン」の最終日には、5人の参加者が1ヶ月の成果を発表します。三宅さんも自分で書いた記事を発表します。
同じような環境のお母さんたち、たくさんいると思うので、その人たちが一歩踏み出すための勇気になるというか、背中を押せるような記事になればいいなと思っています。
三宅さんの書いた記事には、こんな言葉があります“復職すると、子どもがもっと甘えてきます”研修中の家族の姿ありのままを表現しました!
復職を乗り越えるのに大切なことは、“知らないうちに自分を縛っている固定観念を捨てること”それが1ヶ月のインターンの答えでした。
いったいどこまでできるんだろうっていう不安があったんですけれど、アクションを起こすことの大切さをこの年にして学ぶことが出来ました。働くことって楽しんだっていうのをもう一度再認識しました。
サイボウズの青野社長は、こう言います。
会社から一回離れて、社会のいろんなこと見てきているので、ある意味社会の変化には皆さんの方が詳しいかも知れない
サイボウズとママたちが希望すれば、本格採用へと進みます。
さまざまな事情から一旦レールを外れると元に戻るのは難しい!日本の社会では、そう考えられて来ました。そうした意識もあり、たくさんの人材が働くチャンスを失ってきたようです。
しかし、今いちど倒産したりキャリアから外れてしまった人たちにも、ふたたび働くきっかけを掴める動きが出て来ました。こうした仕組みがこれから増えていくことを期待したいと思います。
働くお母さんの姿は、とってもステキです!
コメント