20130215 東京獺祭の会2013 / Norio.NAKAYAMA
なぜ「獺祭」は人気があるのだろう?安倍総理がオバマ大統領にプレゼントしたことでも話題になった純米大吟醸です。
がっちりマンデーでは、『旭酒造』の桜井博志(さくらいひろし)会長が登場!獺祭ができるまでを紹介します。
旭酒造とは
『旭酒造』の売り上げは108憶円と伸び続けている。日本酒の消費量は減っているのに、旭酒造のひとり勝ちである。
今まで日本酒を飲めなかった若者や女性、海外の人にも人気があります。1990年に造られた「獺祭」は、山口県岩国市で作られています。
酒蔵というと土蔵に木の樽といったイメージがあります。『旭酒造』は、近代的な工場で科学的に生産しています。
獺祭の作り方
精米
酒米を玄米の状態から削って白い米にします。二割三分というお米を作るために90時間ほどかかります。4日かかって精米します。
お米は、真ん中の部分がデンプンです。外側にあるのは脂質とタンパク質、これがあると雑味が出てしまいます。
普通の日本酒で70%くらい、多く削っても50%です。獺祭は23%まで削ってしまうモノもあります。そのため、すっきりとした味わいになります。
吸水
精米した米を洗って水を吸わせます。米に水分をどれだけ吸わせるかで酒の味が変わります。重要な工程になります。
旭酒造には、杜氏(とうじ)という役割がいま
せん。杜氏とは、酒造の総監督です。代々受け継がれてきた職人の技と長年の経験と勘で酒を造ります。
杜氏がいない分、緻密なデータを管理して造っています。
麹を作る
米に水を吸わせたら、大きなセイロで蒸しあげます。室温36℃で麹を作ります。蒸米を台の上に広げて、ちょうどよく乾燥させるのがポイントです。
旭酒造では、測量計付きの台で作ります。重さを量って乾燥した水分量を計算します。このため、全ての米の乾燥率をピッタリと合わせることが出来ます。
麹菌を全ての蒸米の台に均一にまきます。声を出すと声の振動で麹菌が動いてしまうから静かにまきます。
空中にまいた麹菌が落下するまで5分間待ちます。待つ時は台より低い姿勢で動かない。麹菌のついた蒸米を高温多湿の部屋で3日間置きます。
3日たつと麹菌が繁殖して麹になります。
発酵させる
麹・蒸米・酵母・水と一緒にタンクの中で混ぜます。1ヵ月以上かけて発酵させます。発酵具合を調整して、しぼって酒にするタイミングを判断します。
毎日、300本あるタンクの温度・アルコール度数・アミノ酸度・糖分の濃度などを調べています。杜氏がいない分、データを取って管理します。
かつては桜井会長自身がデータをみて、味を確かめ最良の作り方を研究していました。獺祭の味は、試行錯誤の積み重ねによるものです。
純米大吟醸 獺祭
酒造りの経験がないスタッフが検査をします。酒造りのスタッフが検査すると、ひいき目で見ちゃう心配があるからです。
お米が発酵して“もろみ”という状態になったら絞って酒を抽出します。純米大吟醸「獺祭」の出来上がりです。
旭酒造ヒストリー
『旭酒造』は、地元の山口でも無名の小さな酒蔵でした。1984年に桜井博士さんは、34歳での若さで社長に就任します。
“高くてもちゃんと美味しい酒を造りゃきっと売れる。一大決心の上に造ったのが「獺祭」でした。
地元の山口県では、さっぱり売れなかった。日本酒なんて安くて酔えればいい、そう思っている人には受け入れられなかった。
1990年には、買ってくれるお客さんを求めて全国を回ります。東京に住んでいる山口県出身の人が買ってくれるようになりました。
日本酒マニアにも口コミで評判になります。少しずつ火がついて、今では売上108憶円までになりました。
獺祭の味を守る
一般的な酒造会社は、問屋を通してお店で販売します。『旭酒造』の場合は、直にお店に営業します。中間マージンがかからない以外にもメリットがあります。
獺祭は鮮度が命です。古いモノが売られていない製造年月日をチェックします。古い獺祭が売られていたら納品数を減らします。
おいしい状態をキープできない売り方をしているお店からは、商品を引き上げることもあります。売り上げが減っても美味しくないものは届けない!
獺祭の味を守るとが結果的に売り上げアップになります。
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