腕時計 / sekido
人気の新世代リサイクル「エコリング」は、家に眠る不用品を買い取ってくれるサービスです。ボロボロの中古品をお宝にしてネットオークションで売ります。
カンブリア宮殿では、エコリング代表の“桑田一成(くわたいっせい)”さんが登場しました。創業15年で年商128憶円の会社に成長させました。
エコリングとは
「エコリング」とは、全国に85店舗を展開する買取サービスの専門店です。出張サービスでもなんでも買い取ってくれるのお店です。
兵庫県姫路市にある本社には、大量のブランド品が送られてきます。そんな中古品を蘇らせる“リペア専門部隊”が存在します。
キレイに蘇ったブランド品は撮影をしてヤフーオークションにかけられます。エコリングの最大の売り場はネットオークションです。
何でも買い取るから古着が溜まってきます。“ウエス”屋さんに販売して雑巾に変わっていきます。エコリング第2の売り場は専門業者です。
それでも売れない商品は段ボールに詰められます。2012年にタイに進出したエコリングは、タイで販売します。エコリング第3の売り場は海外です。
中古品が市場は伸びている理由とは
中古品の市場は、2009年には1兆1,274憶円だったのが2014年には1兆5,966憶円と伸びています。
伸びているのは我々のような買い取り業者がたくさん増えたということもあるが、インターネットで販売するという流れが非常に強くなっている。
海外のバイヤーが今の日本のマーケットにどんどん参入している。売値が高くなっている。当然、買値も高くなっている状況です。
急成長リサイクル店のヒミツ
「ハッピー東京オークション」では、中古のブランド品が並んでいます。業者向けのオークション会場なんです。リサイクルショップや質屋が参加しています。
エコリングでは、このオークションの1割を出品しています。エコリングが在庫として抱えるのは8日です。とにかく早く売り切るスタイルです。
桑田一成の異色の経歴
桑田一成さんは、1968年に兵庫県姫路市に生まれます。まだファミコンもない時代にパソコンに夢中になってプログラミングを覚えました。
1993年日本大学農獣医学部を卒業するが働き口が見つかりません!公務員試験を受けて旧郵政省の役員になります。
郵政事業の民営化に不安を感じて退職します。“プログラマーとして生きて行く”そう決めてソフト開発の会社を起こします。
ITバブルの真っただ中で失敗してしまいます。闇金にお金を借りて返すために、衣類や家電などをネットオークションで売ってお金を作ります。
“家財の切り売りをビジネスにできないか?”この時の生活がエコリングの基盤になっています。エコリングの“何でも買い取る”のは自分が助けてもらったからです。
売り先を求めて海外へ
中東のアラブ首長国連邦ドバイでは、中古の自転車を販売します。ドバイでは、日本語の表記があると高く売れます。品質が良い証拠になるのです。
アフリカ・ウガンダでは、古着が飛ぶように売れて行きます。珍しいのか冬のコートが売れて行きます。
“どんなモノでも買い取れば必ず欲しい人がいる”どん底の生活から掴んだビジネスの革新です!
偽ブランド品を見極めろ
エコリングでは偽物を見分けるトレーニングをします。リスクと隣り合わせの鑑定士になるためには10年はかかると言います。
鑑定マニュアル
桑田さんは鑑定のマニュアル化します。500万点以上の商品データを蓄積して、バッグや時計など商品ごとに偽物を見分けるポイントを解説しています。
遠隔サポート
遠隔サポートシステムとは、お店にいる若手鑑定士にインターネットを中継で繋いでサポートするシステムです。お客さんの安心感にも繋がります。
自動偽物判定機
エコリングが独自に開発した「自動偽物判定機」、時計の場合は含まれる成分値のデータを集めて、その違いを法則化したシステムが組み込まれています。
リサイクルの極意
鑑定士になるために必要なことは?
今までは「肌で感じろ」とか「背中を見て覚えろ」みたいな世界だった。それを「ポイントはここ」と伝え文章化していったのが始まりです。
買い取り価格も店長の裁量!店長がお店も出したいと言ったら出す!
言われたままにやるというのは仕事が楽しくない、自分で考えて組み立てて行くのが必要だと思う。
「協調性がない」は弱点ではなく強みになる!協調性がない人が集まった会社は、日本の常識では弱いと思われがちだが信頼関係さえあれば強い会社になると思う。(村上龍)
ひとつの理念に沿って、そこだけ集中してあとはバラバラでいいと思う。言いたいこといって、自分の会社が良くなるなら言いたいことを言う方がいい!
不要なものはない!
タイ・バンコクの貧しい地域に「ワットポージェーン小学校」があります。「エコリング」は、日本からの中古品を無償で提供しています。
文房具すら満足に買えない子供が多く存在する街で、日本ではいらなくなったモノがまだまだ役に立ちます。
向こうに持って行って子供たちが喜んでいる。それだけでもう十分です。世の中に無駄なものはないと思います。
編集後記
桑田さんは、不思議な人だった。とらえどころがない。農獣医学部出身、PCが普及するはるか前にプログラミングを習得、元郵政省公務員、そして、身の回りのものを、はじまったばかりのネットオークションで売って生活。
「節約とかそんな生き方をするんだったら、死んだ方がまし」と宣言してやがてエコリングを立ち上げ、創業15年で年商100憶円の会社に成長させた。
一見、脈略がないが、不自然ではない。人生に無駄な時間はなく、世の中に不必要な資源はないことを、身をもって、しかも軽やかに示している。
ユニーク、かつ正統・・・村上龍・・・
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