銀座 / Avery Qian
今アパレル業界が厳しい!そんな中でも年商1000憶を超えるアパレルがあるという、それが「アースミュージック&エコロジー」です。あの宮崎あおいさんのCMと言うと分かりやすいですね♪
カンブリア宮殿では、アースミュージック&エコロジーを作った『ストライプインターナショナル』の石川康晴(いしかわやすはる)社長が登場しました!
アースミュージック&エコロジー
宮崎あおいのCMで有名な「アースミュージック&エコロジー」は、毎年150店ものお店を出店しています。
ストライプインターナショナルが経営しています。その数は、ユニクロとGUの1180店を超える1199店になりました。
ここ2年の間で大手のアパレルのお店が閉店をしています。その空き店舗を埋める人気店として引っ張りだこなんです。
お客を飽きさせない
「アースミュージック&エコロジー」では、1日平均10種類の新作を並びます。在庫を少なめにして、売れていく端から新商品を並べるんです。
その新鮮さが女性の心を掴んでいます!
東京・銀座 ストライプ本社
ストライプインターナショナルは、社員数がグルいプ全体で4634人います。自社で服をデザインして、製造販売までするアパレルメーカーです。
本社の廊下にある写真は、プロのカメラマンに撮ってもらった社員のポートレートです。その数300あります。一番大切なものと一緒に写っています。
コミュニケーションを増やすために、仕掛けを入れています。社員との関係こそが石川さんの成功を支えてきました。
12億円のCM製作費
「アースミュージック&エコロジー」を一躍有名にしたCMの実現には、現場の声が決め手になりました。
アパレルの先輩に相談したところ、CM製作には大反対されました。悩んだ石川さんは、現場の声を聞きます。
アパレルで働くことを両親に反対されていた社員は、CMに出るような有名な会社に勤めていることが知れたら喜んでくれそうだ。
その言葉で石川さんは、CM製作を決定します。現場の声に耳と傾けることで大胆な挑戦も出来ると言います。
ブロックナチュラルアイスクリーム
ららぽーと立川立飛にある「アースミュージック&エコロジー」の隣には、アイスやさんがあります。
「ブロックナチュラルアイスクリーム」は、果物が入ったアイスを売っています。
アパレルで培ってきた“かわいいビジュアル”や女性の好みが分かる。それを活かせるのではないかと考えられました。
洋服レンタル メチャカリ
「洋服レンタル メチャカリ」は、一度に3着までレンタルすることが出来ます。月額6264円で、何度でも借りかえ可能です。
返却された服は、古着として格安で販売されます。クローゼットに洋服が入らない、お金がなくて買えない!
気軽にファッションを楽しめるサービス、ストライプのファンを増やしたいために立ち上げられました。
新しい洋服を身に着けると嬉しくて、鏡の前でファッションショーをしたりする。そんな女性には、ぴったりのサービスですね♪
アパレル業界 今昔物語
アパレル業界の主戦場は、かつては百貨店にありました。大手レナウンが最先端のファッションを武器に席巻していました。
バブル時代のアパレル
石川さんは、1970年に岡山県で生まれました。幼いころからオシャレに目がない子供でした。
1980年代に、バブル経済と一緒に盛り上がったのが「DCブランド」です。MEN’S BIGIやissey miyakeなど有名デザイナーの服が高い値段で売れまくりました。
そんなバブル時代に石川さんは高校生になりました。ニコルのシャツにレイバンのサングラス、お小遣いは全てオシャレに使うほど洋服が大好きでした。
パンクファッション クロス
石川さんは23歳時に、紳士服メーカーで働いて貯めたお金で企業します。岡山市内で「クロス」というアパレルのお店を出店しました。
イギリスで買い付けたパンクファッションを売りにしました。それが話題となり4店舗まで増やします。
奇抜なファッションを追求しようとして社員の反発にあいます。そこから、石川さんの考え方は変わりました。
アースミュージック&エコロジー誕生
1998年には、デフレ不況に突入します。大手百貨店やアパレルが失速する中で、ユニクロがフリースで大ブームを巻き起こします。
石川さんは、“女性たち誰もがファッションを楽しめる店”を実現させます。それが、1999年にできた「アースミュージック&エコロジー」1号店です。
誰もが心地よさを感じる自然な風合いのデザインと、買いやすい価格設定が女性の心を掴みました。
新規事業への展開
原宿にある「レベッカブティック」は、アメリカ西海岸の古着を集めたブランドです。新宿にある「メゾンドフルール」は、フリルの付いたかわいいバッグを売っているお店です。
主力ブランドの利益3割を新規事業へ投入しています。アパレルの常識にとらわれない新業態の立ち上げに使っているんです。
既存のやり方を3、4年やると競争相手が追い付いてくるし、売り上げも下がってくる。どんどん路線転換することで一番継続できる組織になる。
石川さんは、いつ売れなくなるか不安だから新規事業に投資していくんだと言います。その怖さが挑戦する気持ちを作っています。
岡山で町おこし
「SHIMOYAMA’S GREEN TEA」は、新しいお茶の味わいを提案するお茶屋さんです。本業は、お茶を栽培する農家を経営しています。
店主の下山さんは、独特の風味のほうじ茶作りで知られています。オカヤマアワードで賞を取ったことがきっかけでお店を出店することになりました。
オカヤマアワードとは、岡山で活躍する若手経営者を表彰するイベントです。石川さんが開催しています。副賞は、ビジネス拡大をサポートします。
石川さんは、こうして岡山を活性化するためにイベントを仕掛けています。岡山が大好きなんですね♪
ライバル ユニクロの柳井さんの助言
石川さんは、ユニクロの柳井社長から呼び出されました。
もっと君は大きい店をやりなさい!ビジネスは規模だ。
小型店舗の展開は、ひとつのビジネスモデルだと思っていた。売り上げが1000憶円に届きそうなときに、1兆円を目指すには小型ではなく大型なのではないか?
柳井さんと話して、そんな疑問を持ってしまいました。「GAP」や「ZARA」、「H&M」を研究した結果、大型店舗を出店することにしました。
岡山市内にオープンした「KOE」は、欧米のお客さんをターゲットにした大人っぽいデザインの服が並びます。2020年には、ここから欧米進出を目指します!
村上龍 編集後記
アパレル業界は苦しんでいる。消費者は、ネット通販、レンタルなどさまざまな流通を知り尽くし、流行ではなく自らの好みを優先させる。
出費を控え、安易に宣伝に乗らない。ストライプインターナショナルは、一貫した戦略がないかのように見える。
だが、石川さんのロジックは切れ味鋭く、ぶれがない。戦略がないのではなく、戦略を固定させないのだと思う。
賢くなり、自由に浮遊する消費者に寄り添うように、いろいろな領域で多様性を提供する。
石川さんの、「洋服」に対する幼少からの愛情が、その先端的な考え方を支えている。
愛情が、市場を見抜く・・・村上龍・・・
コメント