カンブリア宮殿|千疋屋のフルーツ革命 ゼリーやフルーツ杏仁で80憶の最高売り上げを達成させた戦略とは

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お取り寄せ

千疋屋
千疋屋 / Sig.

秋の行楽シーズンにバスツアーに行く人が増えています。中でも果物ツアーは人気があって、外国人のお客さんもたくさん利用しています。

10月6日(木)の「カンブリア宮殿」では、『千疋屋』の6代目社長の“大島博(おおしまひろし)”さんが登場しました!

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 千疋屋総本店

千疋屋総本店は、日本橋の三井タワーにあります。宝飾店を思わせる店内、江戸後期から182年も続く老舗です。

取り扱っている商品は、選び抜かれた30種類が並んでいます。宮崎産のマンゴーは、1コ8,640円です。岡山さんの白桃は、1コ3,780円です。

一体何が違うのでしょうか?

8割が国内産

千疋屋の果物は、8割が国内産を扱っています。味と形の良いものを選ぶと高値になってしまうのだそうです。

千疋屋のブランド力から購入目的の9割が贈答用です。

フルーツパーラー

千疋屋の2階にある「フルーツパーラー」は、少しずつ高級なフルーツが食べられると人気があります。

“千疋屋スペシャルパフェ”は、メロン・マスカット・すいか・バナナ・パイナップル・キウイ・オレンジが乗っています。

 超高級メロンの秘密

静岡県で作られている「マスクメロン」、収穫量は日本一で全国の40%のシェアがあります。マスクメロンの中でも購入なのが「クラウンメロン」です。

一茎一果(いっけいいっか)

一茎一果(いっけいいっか)とは、1本の茎で1コの実を育てることを言います。通常は5~6コの実を付けるが、1コだけ残して間引いてしまいます。

実がなる“高さ

”品質の良いメロンが育つ条件として、丁度いい高さがあります。低すぎるとメロンが大きくならなくて、上すぎると細長くなってしまい網目が付かないのです。

農家と直接契約しない

千疋屋では、農家と直接契約はしません!常に良いものが出来るとは限らないから、良いモノが出来た時だけ仕入れます。

 千疋屋の基準とは

大田市場には、全国各地から出荷された果物が集まります。千疋屋の仕入れを任されている“神田万彦”の曽根さんがセリに参加します。

マスクメロンの基準は、まずは見た目の美しさと網目の太さとしっかりしているところです。桃の基準は、糖度14%以上のモノです。

店名がブランドになるのは珍しい

千疋屋のメロンという店名がブランドになるのは、実は珍しいことなのです。米やイチゴでも産地がブランドに入ることはあります。

千疋屋6代目社長の“大島博”さんは、創業182年の歴史が作り上げたものと言います。

 千疋屋の歴史

埼玉県の越谷市には“千疋村”と呼ばれて桃の名所がありました。ここの桃を初代社長の“大島弁蔵”が売ったのが千疋屋の始まりです。

天保5年に創業

天保5年(1834年)には、日本橋人形町で創業しました。始めは安売りのお店だったのを、2代目の“むら”さんが料亭などの販路を築きました。

創業当初は「安売り処」で始めて商売として賑わいを始めた。商人の憧れというのは幕府御用達になることだった。

幕末には幕府御用達にはなれて、そこから高級路線になった。

明治時代

明治時代には、パイナップルやバナナをいち早く輸入しました。そんな珍しい果物を広めるために、日本初の果物食堂をオープンさせました。

明治から文明開化があって、外国との取引が許されたが当時は流通手段がない!外国船がいろいろ港に寄ってみ本に来ていた。

台湾によったら台湾のバナナを船員の食料として積んでいた。それが日本に入港したときに、まだ残っていて買いに行っていた。

すると「千疋屋が高く買ってくれる」と売りに来てくれたのが輸入の始まりです。

バブル時代

1985年のバブル時代には、お中元やお歳暮に贈答用の商品がバカ売れしていました。バブルが崩壊後は、企業からの注文が全くなくなります。

そんな時に、社長に就任したのが6代目の“大島博”さんです。

我々は創業182年で30年くらいで代替わりしている。30年すると変えないと生き延びられない、時代のセンスを取り入れて改革をしていくのが大事だと思います。

果物を置かないフルーツ店

千疋屋の羽田空港店には、果物は置いてありません!ケーキやゼリー、フルーツ杏仁など加工品が置いてあります。

フルーツですと単価が1,000円以上です。そうしたものだと気軽に買えない!数百円のケーキを充実させて若者にも追求しようという戦略に変えた・・・大島さん・・・

手頃な加工品は、売り上げの8割になっています。売上は過去最高の70憶円になりました。

クリスマスはロールケーキ

Fruits Roll Cake by Senbikiya
Fruits Roll Cake by Senbikiya / t-mizo

開発会議は月に2回行われます。ゼリーやフルーツ杏仁もここで生まれました。今年のクリスマスは、数が作れるマロンケーキを出す提案が出されました。

千疋屋では、全国にクリスマスケーキを届けるために“ロールケーキ”を作りました。どこを切ってもイチゴが見える“ロールケーキ”が出来上がりました。

冬のマンゴー

北海道音更町にあるビニールハウスで作られているのは「冬のマンゴー」です。千疋屋の目玉商品になります。

湿気がなく害虫が付かない時期に作れることと、ビニールハウスの下にパイプを通すことで冷水や温泉を流すことができました。

マンゴーは、冬に花を咲かせて夏に実をつける植物です。それを夏に冷水を流してハウスの中を冷やして、冬には温泉を流して温める方法を使います。

自然エネルギーだけで季節を逆転させて「冬のマンゴー」を育てています。

村上龍 編集後記

「千疋屋のメロン」は最高級のメロンの代名詞だが、そういった呼称は、他に例がない。

「松坂牛」「魚沼産コシヒカリ」「イチゴあもう」など、ブランドを示すのは産地や銘柄で、店名ではない。

ただ「千疋屋」は、それほど強力なブランド力を築き上げているのに、メロンなど高級果物への依存を止めた。

現在、商品比率では加工品が8割を占めている。そしてその開発、素材などに伝統のブランド力を活かし、ごく自然で、かつ大胆な、変革に成功した。

自らが持つ資源の本質を確認し、新しい形で活かす、まさに「伝統と変革」の王道である。

伝統と変革、その王道・・・村上龍・・・

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