鹿児島県枕崎市は、かつお節の生産量が日本一です。なかでも煙で燻した後でカビを付けて発酵させた“本枯れ節”は最高級品です。
10月4日(火)のガイヤの夜明けは、「ニッポンの味で世界の食を変える!」を紹介しました。
大石商店
大石商店は、港から5分のところにある“かつお節工場”です。90年前に創業した工場には、従業員は20人ほどいます。
倉庫に眠っているのは“本枯れ節”、作るのに手間がかかるため高値になってしまいます。あまり売れなくなりました。
今の主力商品は、燻して乾燥させただけの削り節専用の“かつお節”です。全国シェア40%を誇る枕崎市ですが安い商品で経営を維持している工場がほとんどなんです。
枕崎市がフランスに挑戦
食の多様化から後継者不足によって、最盛期150軒あったかつお節工場は48軒にまで減りました。
打開策として枕崎市の生産者は、フランスに工場を作ることを決めます。そのプロジェクトリーダーが大石商店の社長、大石さんです。
フランスに出来た800㎡ある工場が稼働すると、1日200キロのかつお節が生産されます。
ヨーロッパで出回っているかつお節は、韓国や中国の商品ばかりです。EUには厳しい規制があり、日本のかつお節は輸入が認められていません!
ベンゾピレン
EUの規制対象にあるリストの中に「ベンゾピレン」があります。薪を炊いた煙で長時間燻して作る日本のかつお節にはベンゾピレンが付いてしまいます。
フランスだけで1600軒ある日本食のお店、満足な出汁がとれないのが現状です。大石さんは日本料理店だけでなくフランス料理のお店にも売り込むことを考えています。
日本とフランスの作り方の違い
日本の製法は、薪で火を起こした煙でかつおを燻すという作り方をします。フランスで使う機械は、火を使いません!
特殊に加工した木材を電気で熱して煙を発生させます。ベンゾピレンの付着を防ぎます。温度と時間、煙の量が決め手になります。
かつおの脂が関係する
日本のかつおは太平洋産に対して、フランスはインド洋産がほとんどです。インド産のかつおは、脂が少なくかつお節には適しています。
7月中旬に出来た「枕崎フランス鰹節 ブルターニュ工場」では、試作品が完成しました。見事なかつお節が出来ました!
一流シェフに売り込む
Paris – Tour Eiffel / Harshil.Shah
大石さんは、パリのフレンチシェフ“エリック・トロション”さんを訪ねます。エリックさんは、日本の人間国宝に値するMOFを持つ人です。
かつお出汁は、“創造性を書きたてられる”と高い評価を得られました。
フレンチのフォアグラと日本のかつお出汁の融合
エリックさんは、粗削りでとった濃い目の出汁を使ってフレンチに活かします。フォアグラをソテーして茹でたキャベツで巻きます。
生マッシュルームをスライスして添えたら、かつお出汁を注ぎます。最後に糸削りをトッピングしたら完成です。
フレンチの代表フォアグラと日本のかつお節の融合です!
新しい絵の具を手に入れたかのようです。これからもどんどん自分の料理に取り入れていきたいですね!…エリックさん…
フランスに渡った日本品質の「かつお節」、異国の地で新たな歴史を作ります!
日本食に広がるのはそうだが、いずれヨーロッパ全体にいろんな料理に使われればいい。
それが何年後になるかわからないがまず第一歩です。…大石さん…
まとめ
日本食が世界に羽ばたいていく未来を創造するだけでワクワクしてしまいます。日本料理の原点である“かつお節”が、もっと広く使われることを願います。
日本人に生まれて本当に幸せです。
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