情熱大陸|生きていてよかった!絵本作家のぶみが作り出す世界観とは

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ゾウさん(点図)_1.jpg / escawk

子どもたちが大好きな絵本、いったいどんな人が物語を作っているんだろう?絵本作家のぶみさんは、38歳にして売れっ子の絵本作家です。

世に送り出した絵本は170冊あります。子どもの身の回りに起こる出来事を見つめて、笑いや涙を誘うのが“のぶみワールドの特色”です。

絵本作家のぶみの作る世界

新しく作る絵本は、テーマから決めます。テーマは“いのちのはな”、物語の主人公はチューリップです。

球根から芽を出し花を咲かせ、やがて枯れていくまでを人生に見立てるつもりです。

ひとりでも多くの子供たちに、自分の絵本を読み継いでもらいたい!のぶみはロングセラーを目指しています。

絵本作りは、はじめに軸を作ります。このチューリップの場合は、花で人生を表す。それがしっかり出来ていないとダメなのです。
その次に笑いや感動を作ります。のぶみの絵本は、15枚の原稿を見開きで見せるのが基本です。読み聞かせを考えて3~5分以内で読めるようにと決めています。

なぜ絵本作家になったのか?

1978年4月4日に信実さんは、東京で生まれました。両親は協会の牧師を務めていました。小学校のときにいじめにあいます。

2度の自殺未遂を経て、高校時代は荒れた生活をします。160人のチーマーを束ねる総長にもなりました。

そんな生活に嫌気がさした頃に、妻となる洋子さんに出会います。“絵本が好きだ”と聞かれて、つい“自分も書いている”と答えたのが絵本作家の始まりです。

洋子さんに振り向いてほしくて、必死になって書いた絵本は600冊にもなります。妻のおかげで今があります!

デビュー間もない時期に、アンパンマンを作ったやなせたかしさんに励まされました!

君は僕より才能がある。アンパンマンのような愛されるキャラクターが描けるよ!

チューリップの物語

ラフと呼ばれる下書きは、A3のコピー用紙にシャープペンシルで書きます。

球根で少年に託されたチューリップの“プー”は、少年が病気で寝込んでしまったため、水を一滴も与えられないまま衰弱していきます。

物語の終盤に元気になった少年は、今にも死にそうなプーに涙を流します。その涙を見てやっと花を咲かせたとき、プーは思う“生きていてよかった”

のぶみさんは、チューリップのプーに昔の自分を重ねて泣いてしまいます。

絵本のマーケティング方法

週末は講演会で全国を飛び回っている。講演会の後に、世に出ていないひな型を観客の前で読み聞かせを行います。

観客の反応を見て、ラフを修正していきます。のぶみさん流のマーケティング方法なんです。

恵まれた環境で育つバラを思い切って意地悪く描けば、チューリップのプーの逆境が際立つかもしれない!

手堅くヒットを生むハリウッド映画にも似たやり方です。たしかに読んでもらえなければ作品に込めた思いは伝わらない!

ちょっとした書き直しでストーリーの起伏が増し、より分かりやすくなって行きます。

何度も修正を重ねる

青森での講演会に書き直したラフを子どもたちに披露してリアクションを伺います。ときにはホテルでも修正します。

いくら書いても認めてもらえない時期もありました。やりたいことを貫くには売れなければ、そう思い続けてきました。

各地で読み聞かせを行うこと30回以上になります。3000人以上の親子と向き合ってラフはボロボロになりました。

涙と笑いを散りばめたメッセージは、ようやく心に届いたようです。アイデアを固めてから4ヵ月、ついに清書と色どりに入りました。

絵本作りは、まったくの独学です。原則として色鉛筆を使っています。色彩は淡いパステル調、強く主張する絵よりも、あっさりとおとなしい印象を心がけます。

チューリップと重なる思い

身近な日常に大切な何かを見出す、のぶみの世界飾り気のない素朴なタッチこそ相応しいのかもしれない!全ての原画を書くのに2週間はかかりました。

のぶみさんは、2年ぶりに両親の所に行きます。10代で道を踏み外してからは、両親とは微妙な距離感があります。

新しくできた絵本を両親に読み聞かせします。チューリップの思いは、自分と重なり合います。

“生きていてよかった、生きていてよかった”こぼれる涙は、いろいろな自分を思い出させます。