カンブリア宮殿|1食20円の感動ビジネス「TEBLE FOR TWO」とは

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MUJI 無印良品
MUJI 無印良品 / hans-johnson

無印良品の有楽町店には、レストランがあります。そこで食事を楽しむ人は、20円を寄付することが出来ます。その寄付金は開発途上国の学校給食に変わります。

カンブリア宮殿では、「TABLE FOR TWO」の代表である小暮真久(こぐれまさひさ)さんが登場しました!

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TABLE FOR TWOとは

「TABLE FOR TWO」とは、2人のための食卓と言う意味があります。食べ物があり余り肥満などに悩む先進国と貧しく飢餓に苦しむ途上国の食の不均衡を解消します。

無印良品のレストラン“カフェ&ミール”では3年前に導入しました。伊藤忠商事の社員食堂では、ヘルシーメニューに導入されて120食は完売するほどの人気メニューです。

「TABLE FOR TWO」寄付金を集めるNPO法人です。東京港区のマンションの一室を借りています。常勤スタッフは3人だけの小さな会社です。

2007年に設立したときは113万円だった寄付金は、2015年には1億3000万円の寄付金を集めることが出来ました。

日本では約360の企業や官庁が食堂に導入しています。この寄付金でアフリカ6ヵ国とフィリピンの全部で7ヵ国に給食を届けてきました。

1食20円の感動ビジネス

アフリカ・ケニア共和国にあるルシンガ島の小学校を「TABLE FOR TWO」は支援しています。人口3万6000人の生活は厳しいものです。

ケニアの貧困率は43%、1日1回食べるのが精一杯の生活です。そんな中で4年前から給食が始まりました。今まで来なかった子どもたちも学校に来るようになりました。

普段は温かいものが食べられない子供たちにのっての温かいメニューは貴重です。日本の20円から生まれる給食は大切に使われていました。

日本ではたったの20円だけど、ここでは価値が何十倍にも大きくなる。子どもたちの未来をつくる食事だと思う。

 小暮真久(こぐれまさひさ)とは

小暮さんは、子どもの頃は“型にはまる”のが嫌いな性格でした。運動会の練習など集団での行動が苦手だったのです。

学生時代は、モヒカンにピアスと人と同じことをするのが嫌いでした。大学は早稲田の理工学部、人口心臓の研究をしていました。

卒業後にはオーストラリアの大学院に4年間留学をして研究を続けました。このユニークな経歴がウケて、外資系のコンサルタント会社に就職が決まります。

マッキンゼー・アンド・カンパニーは、コンサルタントという仕事に満足できずに6年で退職してしまいます。

「TABLE FOR TWO」の仕組みが発表

2006年に“ヤング・グローバル・リーダー会議”がカナダで開かれました。その時に「TABLE FOR TWO」の仕組みが発表されます。考えたのは元マッキンゼーの同僚たちです。

これはすごい!本当に回り始めたら大きな世界の問題も解けるかもしれない!しかも日本人が考えた。

小暮さんは、事業化を託されたため会社を辞めてNPOを立ち上げます。しかし、企業に支援をお願いするも社会的に信用がないため断られてしまいます。

メタボ検診義務化が追い風になる

2008年“メタボ検診”が義務化されることをきっかけに支援が集まります。2008年には108社から支援があり、2015年には650社の協力を得ています。

 企業も学生も支援

「TABLE FOR TWO」総選挙とは

「TABLE FOR TWO」総選挙とは、参加企業が食堂の自慢メニューを紹介して競いあいます。「ポーラ」は、具をご飯の中にうずめた島根県の郷土料理“美肌御前うずめ飯”を紹介!

気に行ったメニューにはシールを貼って投票します。1位のメニューは、「いすゞ自動車」の“発芽玄米のみそ焼きおにぎりセット”、お茶漬けにもできるセットです。

「TABLE FOR TWO」は、多くの一流企業からも信頼されるようになりました。草の根で広がり始めています。

TABLE FOR TWO SOPHIA

”TABLE FOR TWO SOPHIA”は、上智大学の学生が作った支援サークルです。学校と交渉をして導入されました。学園祭でも寄付を呼び掛けてきました。

学生食堂の火曜日限定ヘルシーメニューの代金に20円の寄付が含まれています。こうした学食での支援は約120の学校で行われています。

フットサル・フォー・ツー

「フットサル・フォー・ツー」には、17チームが参加しています。参加費は1万3000円、試合で出た1ゴールが10食につながります。この大会では4,063食が届けられます。

フットサル・フォー・ツーの代表は、“TFTを知らない人たちにも知ってもらうために行なっている”と言います。国際貢献は身近なところでも出来ます。

TFT42MOE CAFE

「TFT42MOE CAFE」は、学生がヘルシーメニューのメイドカフェを秋葉原で開催しました。2日間限定で2万円の利益を生み、給食1,000食を届けました。

 新規事業が生まれる

西友では、弁当売り場に並べられたカロリーオフ弁当を買うと寄付がされます。若菜とのコラボ企画“カロリーオフセットプログラム”です。

寄付金は開発途上国の菜園作りに使われます。ただ食料を提供するだけでなく、自分たちで作る方法を支援する飢餓を根本から支援する新しい事業です。

社会貢献は自分のためにやっていると思う。人のためというよりも自分がすごく幸せに感じるからやっている。だからこそ続けられると思う。

すごく感謝されるし、変化が起きてきているので飽きる暇なく今まで続けてこられた。型がないし自由にできるところがずごく自分に合っている。

 肥満大国の子供にヘルシーな給食を

「TABLE FOR TWO」は、世界一の経済大国アメリカ・ニューヨークでも支援を行っています。アメリカで深刻な問題になっている“肥満”、成人の36.5%にも上ります。

子どもたちの肥満の原因のひとつは貧困にあります。TFTはアメリカの企業から寄付金を募り、貧困地区の学校給食をヘルシーな給食に変えることが出来ました。

「ホールフーズマーケット」は、全米で400店展開する健康志向のスーパーです。TFTとすしチェーン「ゲンジ」が共同開発した“ハッピー弁当”が売られています。

“ハッピー弁当”の代金から25セントが学校給食の寄付金になります。アメリカでは社員食堂よりお店やレストラン、食品企業で導入する方がマッチしています。

NPOとしてアメリカに勝ちたいのか?

日本のNPOで、まだアメリカに勝ったところはない!我々はそこになりたいという思いkはすごくある。

日本人の良さを前面に出して、もっと特徴付けないと勝てないので、やり始めてから成長がなた出てきた感じです。

「えらいな」「すごいな」と思われたら社会貢献にとって実は負け、そう思うとみんな参加してくれない!

自分も偉い人じゃないと社会貢献はできないと思ってしまう。その壁をとにかう取っ払っていろいろな人に参加してほしい!

僕たちが自然体でやって、学生時代のやんちゃな自分がやっても、いろんな人がいてもいいんじゃないかと僕たちは思っている。

ゴルフ菜園プロジェクト

「ゴルフ菜園プロジェクト」は、ゴルフスコアの管理アプリを利用すると運営会社が1バディーで10円寄付を寄付するという仕組みです。

スマホのアプリを使った取り組みは、開始してから1年で約800万円の寄付が集まりました。途上国の菜園作りに使われます。

編集後記

小暮さんの著書に「学生時代はピアス&モヒカンだった」とあった。元モヒカンの青年が、人口心臓研究、マッキンゼーを経て、社会事業、いい感じだなと思った。

社会に貢献したい、世界を良く変えたいという若者が増えている。その活動は、できれば、利益を生むビジネスであるべきた。

TFTは、「飢餓と飽食、双方の解決」という経済合理性に支えられている。そのポリシーが浸透すれば、事業規模は拡大する。

年間取扱高100憶円を目指して欲しい、そう言うと、「型にはめられるのが大嫌い」な青年は、笑顔で、うなずいた。

博愛と経済合理性・・・村上龍・・・

 

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