お菓子 / Alipyon
食い倒れの街、大阪の道頓堀には心斎橋筋商店街があります。300店舗が並ぶ日本最大級の商店街です。なかでも『お菓子のデパート よしや』は、他には売っていない商品を安く買えると評判なんです。
9月1日(木)の「カンブリア宮殿」では、『よしや』の“神吉武司(かいよしたけし)”さんと“神吉秀次(かみよしひでじ)”さんがが登場しました!
お菓子のデパートの歴史
創業者の神吉武司さんは、1956年に「あわおこし」のメーカーに15歳で就職します。23歳のときに、取引先のお菓子問屋に“店を継いでくれないか?”と頼まれて引き受けました。
これが『吉寿屋』の創業、社員5人からのスタートでした。資金も経験もない神吉さんが決めたことは、“誰よりも働くこと”でした。
1986年には、小売りとして『お菓子のデパート よしや』を開店します。めちゃめちゃ売れて関西地区には、101店舗を展開するチェーン店になりました。
大阪摂津市には、『吉寿屋』の本社があります。1階は、配送センターになっています。各店舗に配られるお菓子が山積みになっています。
『吉寿屋』は、スーパーやドラッグストアなどに卸す菓子問屋でもあります。年商は121憶円で、創業から52年の間、赤字を出したことがありません!
よしや流の販売テクニック
1.お菓子は平台に置く、それは表面が見えるとおいしそうに見えるからです。
2.子どもでも届くように棚の位置を低くした、アイテム数は少なくなるが売り上げは3割は上がりました。
3.値札を貼らずに価格をそろえるコーナーを作った、値段を貼らないことで経費の削減になる。その分お菓子を安く出来ます。
お菓子メーカーの営業が並ぶ 会長の味覚
神吉秀治会長は、創業時から仕入れの担当をしています。52年の経験を積み“売れるかどうか”を正確に見極める目利きの秀治になりました。
お菓子メーカーの営業マンは、神吉会長がいいと言った物は本当に売れる。だから買ってほしくて会長のところに来ます。
想像を超えるご褒美 現金500万円
頑張った社員には、想像を超えるほどおご褒美が待っています。山本店長は、9時だった開店時間を7時早めて出勤前のサラリーマンの取り込みに成功しました。
売り上げは3割もアップしました。成績がいちばんだったことで、何と現金500万円を振り込みで頂いたそうです。
パートさんにもご褒美があります。月に1回ある“ジャンケン大会”では、炊飯器や大型テレビなど高価なご褒美が当たります。
こんな会社で働きたい!
報奨制度を充実させようと思った理由は?
利益が出たら社員に分けるのが普通、何にも不思議なことではない!利益を配っているだけだから何も不思議なことはない!
メーカーとの共存共栄を目指す
お菓子は、賞味期限がまだでも製造から40日で返品の対象になってしまいます。返品された商品は、メーカーの負担となります。
『よしや』は、業界の常識を破る“返品ゼロ”の取り組みを始めました。
返品を辞めた理由とは?
“お菓子”として生まれてきて、“お菓子”を最後までいかしてあげる。返品したら“お菓子”としては死んでしまう。必ず廃棄になるから、だから古くなったお菓子も半額にして売る。
村上龍 編集後記
「人よりも多く働く」吉寿屋の戦略は拍子抜けするほどシンプルだ。他店よりも早く開店し、創業からしばらくは休日を返上した。
「自分がいい思いをするより周りの人が喜ぶのを見たい」という武司氏の価値観は、自然に従業員への手厚い報酬に結びつき、結果的に大きな動機付けとなっている。
武司氏は、毎日早朝にまず倉庫に行き、「お菓子のみなさん、おはようございます」と挨拶する。武司氏にとって、お菓子は、単なる商品ではなく、「愛すべく生きもの」なのだ。
商品と従業員に対し無私の愛情と感謝を抱き、誰よりも多く働く、そういう人に、ビジネスの神様は必ず微笑む。・・・お菓子は生きている・・・
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