8月4日(木)の「カンブリア宮殿」では、放送スタートしてから500回を迎える記念スペシャルとして“世の中を変える素材の革命家”が登場しました!
人口のクモの糸を量産化して「夢の繊維」を作った関山和秀(せきやまかずひで)さんと、水も木もいらない石で作る「魔法の紙」を作った山崎敦義(やまざきよぶよし)さんの紹介します
ハイテクな商品が揃う ゴールドウィンとは
東京の港区にあるニュートラルワークス・トーキョーにある『ゴールドウィン』は、スポーツウエアメーカー直営のお店です。ちょっと変わった商品が置いてあります。
「ファインドライワンピース」は、宇宙飛行士用の下着として開発された繊維で作られているTシャツです。着るだけで汗の臭いや加齢臭を減らすことが出来ます。
「紙糸ソックス」は、紙の繊維で作られた商品です。通気性がバツグンに良く蒸れにくいのが特徴です。
ゴールドウィンの渡辺専務は、新素材の情報があれば世界中どこでも面白い素材を作る人に会いに行くと言います。
夢の繊維を作ったスパイバーとは
山形県鶴岡市にある『スパイバー』は、人口のクモの糸を作ることに成功して量産化した会社です。「関山和秀(せきやまかずひで)」さんは、2007年に24歳という若さで企業しました。
2015年10月には、クモの糸の繊維を使ったパーカーを作りました。外側にクモの糸の繊維を使っています。人工的にクモの糸を使ってできたウェアは、軽くて伸縮性があり驚くほど丈夫にできています。
人工的に作ったクモの糸のDNAを微生物に入れると、微生物がクモと同じような成分を作れるようになります。この成分を粉末状にしてから特殊な溶剤の中で線維にしていきます。
トヨタは、スパイバーと事業提携をして“衝撃を吸収する車体”を開発しています。自動車業界が困っているところに人口クモの糸はフィットしています。
人口クモ糸の誕生物語
1983年に東京で生まれた関山和秀(せきやまかずひで)さんは、小学校から大学まで慶応という恵まれた環境で育ちました。
2007年には、大学発のベンチャーとして企業しました。大学のバイオの研究を活かしてクモの糸の開発をします。しかし、資金難に悩まされてしまいます。
140憶の出資で夢の研究スタート
2009年にベンチャーの投資会社である「ジャフコ」から2憶5000万円の出資をしてもらえます。理由は、まだまだ実用化には課題はあるけれど市場を狙えるポテンシャルがあるからだそうです。
今では、出資者も増えて140憶円の金額にまでなりました。世界中から研究者が集まり、素材に革命を起こす夢の研究がされています。
魔法の紙「ライメックス」を作るTBMとは
名刺 / hawken king
東京千代田区に本社がある『TBM』は、石灰石を主原料とした紙を作っている会社です。その魔法の紙は「ライメックス」です。
製紙工場では、紙を作るために大量の木材と水が必要になります。紙10トンに樹木200本と木からとれたパルプを漂白するために水1000トンが必要です!
ライメックスは、木も水も使わずに作れるんです。原料は、北海道から沖縄まで日本のどこにでもある石灰石を使っています。ピラミッドも石灰石で作られています。
紙との違いは、耐久性があって耐水性があります。水をこぼしても上から字が書けるほどに水に強いんです。にじんだりもしないんです。
印刷会社の大手である「凸版印刷」は、“水とパルプを使わないのは革命的、これから先のエコ社会を考えると確実に広がる想像を絶する素材”と言います。
木や水が不足して紙は全て輸入に頼っている中東のバーレーンも注目しています。
山崎敦義(やまざきよぶよし)とライメックス原点との出会い
山崎敦義(やまざきよぶよし)は、1973年に大阪・岸和田に生まれます。中学を卒業後に大工になります。その後、20歳になると中古車販売の会社を経営します。
35歳の時に台湾で石灰石で作った「ストーンペーパー」に出会います。それは、品質も悪く重い紙でした。品質を良くして軽くできないか?挑戦が始まります。
紙の神様 角祐一郎とは
若い時から製紙会社で技術を担当していた「角祐一郎」さんを紹介してもらいました。角さんは、元日本製紙の専務をしていました。
角さんの長年の経験を生かして、ライメックスの製造プラントを完成させます。
ベテラン社員の活躍
TBMには、様々な部署でベテランの社員が活躍しています。
シニアアドバイザーの「八田賢一」さんは、丸紅で紙の専門家として世界を飛び回った人です。技術顧問の「今村哲也」さんは、花王で新商品の開発を支えた人です。
ライメックスでエコロジーな生活
ライメックスでリサイクルにも力を入れている。いらなくなったライメックスの紙を溶かして、ペレット状にしたものから作った樹脂を使います。
石灰石で作ったライメックスは、紙とちがってプラスチックの様に自由に成形できます。
アメリカのサンフランシスコでは、土に返る素材も分別しています。2017年からは、発砲スチレン容器の販売を禁止することが決まっています。
ライメックスで作った容器は、エコロジーとしても活躍していきそうです。
ライメックスが繋ぐ未来とは
30代の時に初めてヨーロッパに行った時に、何百年も前に何百年もかけて造った建物を見て感動した。
そこに当たり前の暮らしがあることに、すごく感動しました。
企業家としてやっていく以上、何百年も挑戦し残り続ける会社をつくりたい!とにかくやりたいいと思う気持ちをそこでもらえた。・・・山崎さん・・・
村上龍 編集後記
関山さんは幼稚舎からずっと慶應義塾、山崎さんは中学卒だ。だが共通点は少なくない。まず、二人とも、機械など物理的特性ではなく、コピーされにくい化学的特性を持つ製品を完成させた。
また結果的にだが、受験勉強をしていない。そして、決して「異端児」ではない。
チャンスをうかがい、つかんだら、成功の糸口にたどり着くまで、どんな困難い遭ってもあきらめなかった。
「成功するまでやり続ければ絶対に成功する」カンブリア宮殿の精神だ。
このお二人を、500回の記念にゲストとして紹介できたことを、誇りに思いたい。
カンブリア・スピリット ・・・村上龍・・・
まとめ
クモ。の糸やアイメックスなど技術の力って本当にすごいな~と思います。ゴミを少なくしてエコロジーな生活は大賛成です。
資源を大切に守って行くと未来はどんどん明るくなっていくように思います。
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