【カンブリア宮殿】明太子メーカーの老舗ふくやがナンバー1でいられる理由とは

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辛子明太子
辛子明太子 / Kanko*

福岡県博多の夜の楽しみといえば「屋台グルメ」その数は100件以上あります。とんこつラーメンやもつ鍋、ひと口餃子、水炊きなどグルメがいっぱい並んでいます!

そして忘れてはならない博多名物「明太子」があります。日本でいちばん売れている明太子メーカー『ふくや』の人気のヒミツを追って見た!

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ふくや大宰府店のイートインスペースが人気

『ふくや大宰府店』には、全国から人が集まってきます。いちばん人気は、味の明太子(360g 3,240円)です。

激辛の明太子「ホットエンペラー」(2,160円)は、通常の13.5倍の辛さがあります。付属の特製タレで辛さを増すこともできます。

あえもの明太子」(756円)は、数の子やイカなどと和えた惣菜風の1品です。

明太子の関連した商品は20種類ほどあります!

ふくや大宰府店の人気のひとつであるイートインスペースでは、「明太子お茶漬けセット」を864円で注文することが出来ます!大分県産の「ひとめぼれ」のご飯にトラフグのだしをかけて食べます。ご飯とだしのおかわりは自由です!

明太子はどうやって生まれたのか?

創業68年を迎える『ふくや』は、従業員が635人の福岡を代表する地元企業です。4代目社長は「川原正孝」さん、お父さんの「川原俊夫」さんが明太子の生みの親です!

戦後に韓国の釜山から引き揚げてきて、福岡の中州に食品卸 業を始めました。お店の目玉商品として作られたのが、釜山でよく食べていた「たらこのキムチ漬け」です。1949年「明太子」と名付けて販売しました。

まったく売れなかった明太子を10年かけて改良を続けて、今の明太子を作りました。

明太子はどう作られる

明太子
明太子 / Dakiny

明太子の原料は、塩漬けしたスケトウダラの卵(たらこ)です。1日に使うたらこの量は8万本、そのすべてを人の目と手でチェックします。状態のいいものだけを商品にしています!

秘伝のレシピは、3種類の唐辛子をブレンドして、辛み・うま味・甘みを引き出します。製造部の人によると“たらこ本来のうま味を、唐辛子によって引き立てるようにブレンド”しているそうです。

特許をなぜとらなかったのか?

博多で明太子が売れ始めると、まわりで真似する人が出て来ました。友人たちは“こんなヒット商品めったになか、早う特許をとった方がよかとじゃないかと”助言したが、俊夫さんは“明太子はただの惣菜たい、特許なんか必要なか”と断りました。

“明太子を作りたい”と言う人には、惜しげもなく教えてあげました。そうして明太子は博多の名物になっていきました。

1975年に新幹線が東京と博多をつなぐと、出張や観光で博多を訪れる人がお土産で買って帰りました。これがきっかけで、明太子が全国に知られることになります!

福岡県内には、150社以上の明太子メーカーがあります。明太子の市場だけでも1300億円にもなります。

ふくやの商品開発

ふくやの商品開発課では、変わり種の明太子の開発をしています。カレー味の明太子なら一般受けがいいのではないかと開発中です!そういった試作品を年間20種類以上作っています。

ツブチューブ」は、そうした商品開発の中で生まれたヒット商品です。

ツブチューブ」のオリーブバジル風味は、明太子の粒と同じ大きさのバジルエキス入りのカプセルが入っています。カプセルは体温で溶けるため、食べた瞬間に味と風味が口の中に広がります。

明太子を調味料感覚で気軽に使ってもらえるアイデア商品です!ゆずやごま油など11種類あります。2013年に発売したツブチューブは、60万本を販売するヒット商品です。

利益は地域のために使う

『ふくや』が愛される本当の理由とは、地域からの信頼度にある!社員の全員が持っている「ふくや手帳」には、経営理念が書かれています。

【強い会社・良い会社】ふくやの経営理念とは、利益を出す強い会社であることと、地域のために利益を使う良い会社であることです。それを実践している部署が、“網の目コミュニケーション室”です。

網の目コミュニケーション室”とは、地域のイベントやスポーツ大会を後援したり人を派遣する部署です。お祭りや野球大会など年間200件以上の依頼があります。

2015年度の地域支援は、1憶5000万円にもなります。売り上げが7億円に対して、20%を地域のために使っていることになるんです!

ふくやでは、お金を出すだけではない!社員一人ひとりも地域貢献できる仕組みがあります。柔道のコーチやPTA会長など地域の活動に参加するときには特典としてボランティア手当がもらえるんです。

地元の人と大きくなった会社なんですね!

利益を出して税金を多く払う

税金なんてたくさん払いたくない!そんな人ばっかりだと思っていたけれど、ふくやの社長はちがっていました。

戦争で生き残ったことが人生の転機になりました。今までは“自分のため”の人生だったが、これからは“人の役に立たなければ申し訳ない”と商売人になりました。

世の中の人に、美味しいものを食べてもらって、人も雇用して税金もたくさん払う!今どきの経営者で、こんな考えがある人がいるのか、と感心してしまった。

お金は循環させていくものなんですね!

明太子メーカーの新戦略!

ふくやでは食で九州を盛り上げる取り組みをしている。『たべごろ百旬館』は、ふくやが運営しているスーパーです。並んでいるものがちょっと変わっている!

有明産のシャコの親戚「マジャク」や、「イソギンチャク」、長いなすなど他では扱っていない商品が並んでいます。

お客さんはプロの料理人ばかり、プロに使ってもらい九州の食材を広めようと活動しているんです。ふくやから発信した九州の食材がスーパーに並ぶ日が楽しみですね♪

海食べのすゝめとは?

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福岡市早良区にある「海食べのすゝめ(うみたべのすすめ)」は、ふくやが運営するレストランです。全国の美味しいものを提供するお店です!

そこの場所にいかなくても、地元で全国のおいしい魚が食べられるんです。これも逆転の発想なんでしょうか?全国の美味しいものを九州から発信していくんですね♪

のどぐろ定食は、1,700円で「のどぐろ」は、お店の中で買うことも出来ます!

村上龍の編集後記

相撲好きだった祖父は、九州場所で福岡に行くと、必ず「味の明太子」を買った。当時の佐世保の明太子と違って、色も香りも味も上品だった。

私たち子ども心に、きっとお金持ちが作っているんだろうと思っていた。そうではなかった。

「ふくや」は、戦争引き上げの創業者が、ひたすらおいしいものを提供し、世に貢献するために創業した。

製造技術をオープンすることで市場が拡大するというビジネスの王道を貫いた。その経営理念は脈々と受け継がれ、明太子は、珍味ではなく庶民の惣菜として、広く、深く、今も親しまれている。

誇り高き惣菜 村上龍

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