【カンブリア宮殿】ただめし券に客がメニューを決める「未来食堂」の魅力とは

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“今、困っている人を受け入れる食堂を作りたい!”こうして感動食堂は誕生しました。「未来食堂」は、“ただめし券”を使えば誰でも無料で定食を食べることが出来ます。

カンブリア宮殿では、型破りな食堂を作った“小林せかい(こばやしせかい)”さんが登場しました!

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未来食堂とは

東京の神保町は、言わずと知れた古本の街です。古書店が軒を連ねている街は、行列ができるほどの安くて美味しいお店の激戦区でもあります。

「未来食堂」は、そんな神保町にあります。カウンターだけの小さなお店には、日替わりメニューが1品だけがあります。

“ただめし券”やお手伝いをすると“まかない”出るなど、常識に捕らわれない型破りな食堂は話題となり多くのメディアで取り上げました。

型破りな食堂

ただめし券

「未来食堂」の入り口には、“ただめし券”という文字が大きく書かれています。付箋を1枚はがしてお店に入ると、定食を無料で食べることが出来ます。

“ただめし券”は、誰でも使えます。今お金がなくて困っている人は、とっても助かります。

日替わりメニュー1品だけ

「未来食堂」のメニューは、900円の日替わり定食だけです。“煮込みハンバーグ”は、隠し味にしょう油が入った和風デミグラスソース味です。

家庭的な小鉢が3種類とみそ汁、ご飯が付いています。メニューが1品だと座ってすぐに出てきます。そのスピードがランチタイムでは武器になります。

お昼時は忙しいからサクッと食べて帰りたい人ばかり、ランチタイムには7回転します。高い回転率で利益を出しています。

メニューが一品だとオーダーを摂る時間を節約できます。あれもこれも作るより「今日はこれだけ」という方が食材のロスも少なくできる。

まかない

「未来食堂」では、50分お手伝いをすると“ただめし券”がもらえます。“まかない”というシステムは、洗い物や料理を作るお手伝いを言います。

“ただめし券”は、自分で使ってもいいが入口に貼りつけても良い。困っている誰かにプレゼントが出来ます。

“お財布にお金が入ってなかったです。未来食堂でよかった、まかないしにきます。”など利用するお客さんからメッセージが残っています。

客がメニューを決める

毎週土曜日には、お客さんにアンケートを取ります。食べたいモノを聞いて、来週の日替わりメニューを決めます。

“鶏飯”は、鹿児島県にある奄美大島の料理です。小林さんは食べたことがない料理を作ることになりました。鶏飯の材料を買うために奄美大島のアンテナショップに行きます。

「未来食堂」の日替わりメニューは、“一期一会”です。同じモノは作りません!1回だけでも、食材を探しこだわって作ります。

 小林せかいとは

高校3年生の時に進路に悩んでいた小林さんは、少ないお金を持って家出をしました。神戸から東京へ来て、アルバイトをしながら生活する日々を送ります。

誰とも話すことなく“この世で自分は一人ぼっち”だと思いました。そんな時にアルバイト先の同僚が、から揚げ弁当を“一緒に食べよう”と言ってくれました。

横に誰かがいることが自分にとって必要だと気付いた。自分と同じように今にも落ちそうな人、

未来食堂ってただの小さな店なので知っている人を少しでも増やして、落ちそうな人まで届けたい!

家出をやめて、受験して東京工業大学に入学します。日本IBMやクックパッドでエンジニアを務めながら、“いつか食堂をやろう”という思いを固めて行きます。

会社を辞めて、サイゼリヤや大戸屋などで外食で修業を積みます。2015年に「未来食堂」を開きます。常識にとらわれない型破りな食堂は話題になります。

とことこ

具島和子さんは、未来食堂で週に2~3回お手伝いをして1年間通った人です。お手伝いをするうちに“お惣菜屋さんを作りたい”という思いが膨らみました。

“とことこ立ち寄って欲しい”そんな願いを込めて、3月25日に「おかずこしらえたよ とことこ」をオープンしました。

日替わりおかずと白ごはんのセットは、700円で販売します。地元の日野で採れた野菜がたっぷり入ったヘルシーな惣菜弁当です。彩りがキレイで目にも嬉しい!

未来食堂から生まれた夢が形になりました!

編集後記

普通が消えつつあるように思う。「普通の高校生」の偏差値はどのくらいで、「普通のサラリーマン」の年収はいくらなのだろう。

多くの人が、自分は特殊で、普通ではないと悩んでいる気がする。生きづらい社会、暖かな食事と、「普通」を提供する食堂が生まれている。

「子ども食堂」「未来食堂」は、誰もが普通でいられる「場」を作った。「世間」と呼ばれる親密で小さな共同体が機能していた。

1960年代のように、人々は食堂に集まり、他にも似たような人がいることを確認したします。

そこには、新しい「懐かしさ」がある。

新しい「懐かしさ」・・・村上龍・・・

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